べいびー☆ぱにっく



「…相変わらず仲がよろしいこと。」

「痴話喧嘩も大概にしろよー2人とも。」


愛弓と長谷部くんの言葉に、あたしたちはキッと2人を睨んだ。


「「仲良くない!!」」



「ほら、息もぴったりぃ!」

「サッカー部公認のカップル誕生だな…ゴフッ!」




うんうん。と水を飲む長谷部くんをゆきが叩いた。

―よくやったぞ!ゆき!


「勝手にカップルにすんな!バカ長谷部。」

「…2人の恋を隔てるのは、義理の兄妹だから?」



「…くそ真面目な顔して訊くな。鳥肌たちましたけど!!」











「ふぅーん。なるほどね。」


あたし達の様子を見ていた国谷先輩が、そう呟いていたことに、あたしは気付かなかった…










―◆◇――




「飯だー!!」


練習終了の笛と共に、夕食が提供される食堂へと走っていく部員たち。

「…よくもまぁ、元気だこと。」






むぎゅっ…


「ご飯たべられるのも、今のうちなんじゃないかな?」

「びきゃ!!
こ、国谷先輩?!?!」



国谷先輩は、後ろからあたしを、

抱きしめてる状態。




な、なに?!これ!!!!どうゆうこと?!?!?!





「なぁーに…?」


「…!!」

息が耳にかかってくすぐったい……っ


「国谷先輩…あの、近いです…」



すると、国谷先輩は

えー…と言ってあたしから離れた。


「ちびちゃんが、いつも俺の出方がびっくりするから、別の方法で現れてって言ったんだよ?」

「…だからって、だだだだだ抱きつくのは……………!」



しどろもどろになって、思わず下を向くと

国谷先輩は、少し屈んであたしの顔を覗き込んできた。



「…!!」





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