べいびー☆ぱにっく
◆◇◆◇
っくそ…!
あの野郎なんなんだよっ!
あのポーカーフェイスめぇぇ…!
「ゆき…?なんか、顔怖いよ??」
ひかるの声ではっと我に帰る。
後ろを歩いていたひかるを見ると、首をかしげて俺を見ていた。
「……」
「えっ?何?
原因あたし??」
「…違う。」
「えぇ?じゃあなんで怒ってんの?」
なんで?…いや、なんでだ?
あの先輩は確かにいけ好かない。
でも、イライラするのはもっと別な理由…
「あの…さぁ、国谷先輩って、お前と面識あるの?」
「…国谷先輩?愛弓がサッカー部のマネやり始めたころに何回か会ったかなぁ?
その頃、彼有名だったし。」
「…有名?」
「イケメンエースって。」
っい!!イケメンエース?
まるで少女漫画みたいなキャラだなぁ。…いや、俺少女漫画見ないけど。
「サッカー部のマネージャーさぁ、国谷先輩影響で応募者殺到だったらしいよ。
んで、前任のマネージャーからの推薦でイケメンに興味ナシの愛弓がマネになったわけ。」
「…へ、へぇ。」
マジでそんな奴いるんだな。
「そのころは、あたしも暇だったしちょいちょい遊びにいってたかなぁ。
サッカー嫌いじゃないし。その時に何回か国谷先輩と話はしたけど、つかめない人だったかし、そのくらいかな?」
そのくらい?……いやいや、あいつはそんな感じじゃなかったぞ?
「あぁぁぁぁ!!!!」
「っっっっ!?!?!?」
っだぁ~!!っびっくりした!!
「なんだよ?!」
「美夢ちゃん!寮母さんのとこに迎えに行かなきゃ!
てか、ゆきがそう言ったんじゃん!なにくっちゃべってんのよ!」
バシン!!
「行くわよ!」
ひかるは俺の背中を強くたたき合宿寮に向かって走り出した。
そんなひかるの後ろ姿を見て、なんとなく安心した。
…なぜかは分らないけど。