べいびー☆ぱにっく




◆◇◆◇





っくそ…!
あの野郎なんなんだよっ!



あのポーカーフェイスめぇぇ…!



「ゆき…?なんか、顔怖いよ??」

ひかるの声ではっと我に帰る。


後ろを歩いていたひかるを見ると、首をかしげて俺を見ていた。



「……」

「えっ?何?
原因あたし??」



「…違う。」
「えぇ?じゃあなんで怒ってんの?」



なんで?…いや、なんでだ?

あの先輩は確かにいけ好かない。
でも、イライラするのはもっと別な理由…



「あの…さぁ、国谷先輩って、お前と面識あるの?」

「…国谷先輩?愛弓がサッカー部のマネやり始めたころに何回か会ったかなぁ?
その頃、彼有名だったし。」


「…有名?」

「イケメンエースって。」

っい!!イケメンエース?


まるで少女漫画みたいなキャラだなぁ。…いや、俺少女漫画見ないけど。


「サッカー部のマネージャーさぁ、国谷先輩影響で応募者殺到だったらしいよ。
んで、前任のマネージャーからの推薦でイケメンに興味ナシの愛弓がマネになったわけ。」


「…へ、へぇ。」

マジでそんな奴いるんだな。


「そのころは、あたしも暇だったしちょいちょい遊びにいってたかなぁ。
サッカー嫌いじゃないし。その時に何回か国谷先輩と話はしたけど、つかめない人だったかし、そのくらいかな?」



そのくらい?……いやいや、あいつはそんな感じじゃなかったぞ?




「あぁぁぁぁ!!!!」

「っっっっ!?!?!?」

っだぁ~!!っびっくりした!!


「なんだよ?!」




「美夢ちゃん!寮母さんのとこに迎えに行かなきゃ!
てか、ゆきがそう言ったんじゃん!なにくっちゃべってんのよ!」




バシン!!

「行くわよ!」


ひかるは俺の背中を強くたたき合宿寮に向かって走り出した。



そんなひかるの後ろ姿を見て、なんとなく安心した。
…なぜかは分らないけど。






< 151 / 152 >

この作品をシェア

pagetop