芹沢学園生徒会!
芹沢龍人を連れてきた時点で私の役割は終わっているのではないかと、今更ながら気付いた。
不覚。
学園長の隣にいる秘書役の女性に見えるように頭を下げ、私は出入口の扉に手をかけた……が、
「あ、君はまだここにいてね!」
その一言で、私の手は動きを止めた。
「え」
芹沢龍人は私に背を向けたまま、書類を読んでいる父親の方を見ている。
…こいつは後頭部に目でもついているのか。
「…はい」
学園長の前なので反論することも出来ず、私は元いた位置に戻らざるを得なかった。
と同時に、学園長が書類から目を離した。