恋嘘

「…ごめんね。帰る。」

ぐいっ!!

帰ろうとしたあたしの腕を颯くんが引っ張る。

「…やめて…」

腕にキスをされた。

その瞬間今までにないくらいの寒気が背中をつたった。

ふるふる…。

あたしは震える。

怖かった。

颯くんが初めて怖いと感じた。

「なーに震えてんの?俺が怖い?」

颯くんは冷たい瞳で見てくる。

小さい頃の暖かい瞳はどこかにいってしまった。

「…怖いよ…。あたしは颯くんを好きじゃない。」

もう一度言いあたしは颯くんの腕を振り払い帰った。







あたしは颯くんが…

怖いです…
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