SUITE BUTTERFLY〜最強総長様〜



「ねぇ、どこ行くの?」

走りながら少し大きめの声を出す。

「いいから。」


走って正面口を抜けて、ハクのバイクが置いてある正門で止まる。

「ハァ、ハァ…」

あたしは結構疲れて呼吸を整えてるのに、ハクは疲れたそぶりを一切見せない。

「疲れてないの?」

「蜑蝶のヘッドはこれくらいで疲れてたら務まらない」

何食わぬ顔でそういってのけるハクはきっといい総長なんだと思う。

「ってかなんで走ったの?」

「ん……なんとなく?」

「クスッ、バッカみたい。」

「だってさ、嬉しいときって走りたくなるもんじゃん?」

銀色の髪して、いかにも裏の世界の人種って感じのヤバイ雰囲気醸し出してるくせに、こんな可愛いこと言うのはずるい。















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