少女的恋愛戦争
少女的日常

私は、男が嫌いだ。
今すぐに爆発して、この世から消えてほしいと思う程度には嫌いだ。
もう遺伝子だけ残して滅んでほしい。いや、本当に。

さて、私の名は楠下樹。無駄に木という字が多い。
至って普通の高校二年生だ。この春、進級したばかりである。
因みに風紀委員。成績は中の上だ。
男っぽいだとか乱暴だとかで、一部の女子(所謂ギャル系だ)には嫌われている。まあ、私も嫌いだからおあいこだとしよう。

「いっちゃん、宿題あったっけ?」
「今訊くなよ…………数学のワークだ」

横で「いやーやってないー」とか「見せてー」とか騒いでいるのは親友の里香。
正直言って、ばかだ。うざい感じの「馬鹿」でも、サルみたいな「バカ」でもない。
あえて言うなら、天然とかそういった類の「ばか」だ。
小学校からの親友で、どんな時でも明るく盛り上げてくれている。
女子校志望だった私を共学に誘ったのは彼女だった。
今では、感謝もしている。

「あ、古賀君だ」
「なにぃ!?」
また来やがったか、と吐き捨てた。
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