きみといつまでもいたい


「セイヤ、帰るぞ」


咄嗟、樹は決断し踵を返した。

ここに聖夜がいるべきではないと判断したのだ。


「お前がいても、ミルクちゃんを苦しめるだけだ」


だが、聖夜の身体は動かない。

見ると聖夜は青ざめたまま固まっていた。



「セイヤ、しっかりしろ!」



「俺のせいだ。

俺がミルクを追い詰めた。

……自分の平安のために、……それがミルクのためでもあると思ったんだ……」


聖夜の瞳は色を失った。
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