きみといつまでもいたい


今日も診療室では、同じ質問が繰り返されていた。


「君はあの事故で、確かに大切な両親を失った。

けれど、何故、そんなに大好きだった美留久ちゃんを心から締め出さなくてはならなかったのかな?」


「それは……」


「君は今でも美留久ちゃんのことを愛している」


「愛しています。

この命ある限り、愛し続けたい……

だけど……、ミルクを想うと心が締め付けられるように苦しいんです。

僕にはミルクを愛する資格はない。

もう一人の僕が、そう否定するんです」


「それは何故かな……

そうだな、やはりその理由はあの事故に隠されている。

今も君を苦しめる、あの事故の記憶の中に。

もう一度、一から探してみよう。

君の罪悪感の源を掘り起こすんだ。

根こそぎな」


そのジャックの語気に、聖夜の顔は苦痛に歪んだ。

今でも夢に見る、あの事故の記憶が甦ったのだ。


「パパ、急いで! 美留久の出番が始まっちゃう」


美留久のことだけで頭が一杯で、両親を急かして苛立っていたあの時の自分が目に浮かんだ。
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