きみといつまでもいたい



繰り返される悪夢……



「パパ、急いで! 美留久の出番が始まっちゃう」


「聖夜、少し落ち着きなさい。

時間は大丈夫だから。

パパが超特急で駆けつけるから、余裕で間に合うよ」


「でも……

嗚呼……、今日は美留久の晴れ舞台の日だよ、寝坊なんて信じられない……

美留久に嫌われたらどうしよう……」


美留久のことで頭が一杯で、自分の失態を棚に上げて両親を困らせた。


悪魔のなじる声が、聖夜の中で再び大きく唸り始めた。



『お前に人を愛する資格はない!』

『お前の愛する者達は、お前のエゴで命を失うのだ!』



「やめろぉ~ やめてくれぇ~」



聖夜の慟哭の呻きが、診療室に響き渡った。
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