きみといつまでもいたい

私がもっと早く、そのことに気づくべきだったのです。

悔やんでも悔やみ切れません。

あの事故のあと、長い間意識不明でいた聖夜に、その事実を知る機会などなかったことは、少し考えればわかることでした。

聖夜は、自分が父親を急かせた為に、信号無視で交差点に車が進入し事故に会ったのだと、ずっと信じて苦しんできたのです。

両親の命を奪ったのも自分、怪我をしたのも自業自得。

そして、その為にいらぬ苦労を美留久ちゃんにかけた自分を、誰よりも憎んでいたのです。


聖夜が目覚めたあと、献身的に世話を焼いてくれた美留久ちゃんの存在が、僕をすっかり安心させ、そんな聖夜の気持ちに寄り添う想像力を奪ってしまったのかもしれません。
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