きみといつまでもいたい
聖夜とその家族が日本にやって来たのには理由があった。
長年日本を離れて、フランスの地で雑貨輸入の仕事をしていた聖夜の父大樹は、そこで出会ったジョセフィーヌと恋に落ち結婚した。
程なくして、聖夜が生まれた。
家族にも恵まれ仕事も順調で、三人はフランスで幸せに暮らしていた。
だが、子供が大きくなるに連れ大樹は考えた。
この子に、日本を見せてやらなくて良いものかと。
幸い、ジョセフィーヌは大樹と結婚した程の日本通で、日本語も堪能だった。
彼女は二つ返事で日本行きを承諾した。
彼女にとっても、愛する夫大樹の生まれ育った日本を、聖夜に見せてやりたいという思いは一緒だったのだ。