きみといつまでもいたい


(何故、今更、聖夜はここに戻ってくるの?)


答えの見つからない疑問が繰り返された。

会いたい気持ちと再び拒絶される不安。

懐かしい気持ちと怖れ。

美留久の気持ちは揺れていた。


(日本で勉強するため、仕方なく戻ってくるのかも……)


空港に出迎えに行くと言う父郷に、一度は同行を約束した美留久だった。

一目だけでも聖夜を見たい。

心の中の面影に、今の姿を重ねたい。

そう願う気持ちが美留久を動かしたのだ。

けれどいざ目前にその時が迫ると、足が震えて止まらなかった。


(聖夜の視線が、もし冷たく自分に注がれたら……)


そう思うと、怖くてとても会うことなど出来ないと思った。
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