きみといつまでもいたい


空港の待合ロビーで、美留久はやはり心挫けた。


「パパ……、あたし……」


青ざめて震える娘を見て、郷は、まだその時が来ていないことを悟った。


「ミルク、無理することはないんだよ。

聖夜くんにはいつでも会える」


郷は美留久を優しく気遣った。


「パパ……、聖夜にゴメンって、謝っておいて。

必ずいつか会いに行く。そう伝えて」


美留久はその場から逃げ出した。


兎に角、身を隠さねばと焦っていた。


それは無理もないことだった。
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