きみといつまでもいたい

龍は、立ち去る聖夜の背中をひとり見送った。

何故かそれは、さっきの美留久の後姿と重なった。

嗚呼、既に二人はこの場所で、時を共有し始めたのかもしれない、と彼は思った。

そして、聖夜の言葉を繰り返した。



……その時が来るのを、何時まででも待つつもりです。



それが、どんな深い愛の元に発せられた言葉であるか。


龍はその重みを、深く心に刻み込んだ。
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