きみといつまでもいたい
美留久は鏡に映った、聖夜の姿を目に焼け付けようと必死に目を凝らしてしていた。
何時も傍らに寄り添っていた、愛しい人の姿。
聖夜の背が僅かに父を越しているのを見て、少しだけ背が伸びた、と思った。
長かった前髪はもう無かった。
短く刈り込まれた髪の下には、懐かしい聖夜の顔があった。
(そうだよね、聖夜はいつも、あんな風に優しく笑ってた)
日本人離れした美しい顔立ちに見とれたこともあった、と苦笑した。
あそこにいたのが自分なら、あの優しい目で見つめられていたかもしれない、と美留久は思った。
遠目で良くは見えなかったが、それでも美留久には十分だった。
(でも……、もう少しだけ待って……、もう少しだけ……)
美留久の願いも空しく、聖夜の姿は一瞬でその場から消え去った。
美留久は鏡の中を必死に目で追った。