きみといつまでもいたい
「返して!」
慌てた美留久が、声をあげた。
「俺が行って、こんなもんつき返して来てやる。
用があるなら、自分から来いってな」
「止めて!」
「ミルク、いい加減諦めろよ。
あいつはお前に会う気なんてサラサラ無いのさ。
新しい生活に浮かれて、お前のことなんか綺麗サッパリ忘れてやがるのさ」
「違う!」
「何がどう違うんだ。
もうあいつが帰って来て半年も過ぎようってのに、電話の一本もよこしゃぁしないじゃないか」
「それは……」
「俺がハッキリさせてやるよ!」
そう掃き捨てて立ち去る水谷を、美留久は止めることができなかった。
水谷が、止めを刺してくれるのなら。
水谷が聖夜の美留久への想いをきっぱりと断ち切ってくれるなら、自分はもうその影に怯えることもないのだと。
美留久は自分を納得させようとしていたのだ。