きみといつまでもいたい
「ミルクもその……、ブドウカになるのかな?」
聖夜の抱いた素朴な疑問。
「上の二人の兄弟はお父さんの後を継いで武道の道へ進んだが、ミルクちゃんは女だし、どうかな?
でも、聖夜、ミルクちゃんだって、小さい頃から今まで、それなりの訓練を積んで来てるんだぞ。
お前、女の子より弱くて平気なのか?」
「え、ミルクも強いの?」
聖夜は驚いて樹叔父に尋ねた。
「彼女がやっているのは合気道だが、あの歳にしては強いと言えるだろうな」
樹叔父はちょっぴり意地悪く、聖夜の気持ちを揺さぶった。
「僕も行く!
道場へ行って、その武道をやる。
でもって、ミルクより強くならなくちゃ」
その時聖夜の頭の中には、美留久を守る強い武道家の自分の姿が浮かんでいた。
可愛い小さい美留久を守る、強い自分の姿が。
その日から、聖夜の道場通いが始まった。