きみといつまでもいたい


08/22 21:33
From S.H
To: Milk

今日は緊張して食事が喉を通りませんでした。
折角のご馳走だったのになぁ、残念です。

帰国の日以来、久しぶりに一郷さんに会いました。
あの日空港で、僕は彼に、君との関係を急ぐつもりは無いと断言したことを悔いていました。
父として君を想う強い気持ちと迫力に圧倒されたのも確かです。そして、君の存在を身近に感じるまでは、僕にも堪える自信があったのです。それまでは、君との物理的な距離がそれを許してくれない状況だったので。

僕を家に招く、と家族に伝えた時、ご両親は凄く驚かれたと君から聞いて、お叱りを覚悟で臨んだ一郷家訪問でした。
だって僕は、あの時の約束を守れた自信がありません。事を急いだつもりはありませんが、君との距離を縮めようと一方的ではあるにせよ行動を起こしたのは確かなんだ。実際、こんなに早く君に会う事ができて、一番驚いているのは僕なのだけれど。
これも全て水谷のお陰だと、僕は密かに思っています。彼が僕を急きたててくれなかったら、未だに君の傍には近寄れなかったかもしれません。

君がしっかりと冷静に今を受け止めているとわかって、ご両親が安心してくれたようでホッとしました。

でもまだ少し、僕には良心の呵責が残っています。
やっぱり約束は約束だから。
破った罪は消えません。
君を幸せにすることで、償えたら良いのだけれど。

< 216 / 242 >

この作品をシェア

pagetop