きみといつまでもいたい

ジョセフィーヌにとっても、聖夜が日本の武道に打ち込む姿は自慢だった。

かさばる稽古着の洗濯も、旺盛な食欲も、ひ弱だった聖夜が逞しく成長する姿を目の当たりにすると、自ずと喜びに変わっていった。


「聖夜くん、すっかり逞しくなって。

道場でも、かなり上のところにいるみたいよ」


華にそう言われ、ジョセフィーヌの心は浮き立った。

日本人とフランス人の間に生まれた聖夜には、今までどっちつかずの中途半端なところがあったのだ。

それは容姿であり、心根でもあった。

日本人離れした美しい顔立ちと、フランスで育ったという生い立ちが、彼と友人との間に知らず知らずのうちに溝を作っていた。

この地に落ち着いて、武道と出会って、彼が日本人としての自覚と誇りに目覚めたことを、ジョセフィーヌは誇らしく思った。


日本に来た甲斐があった、と思うのだった。
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