きみといつまでもいたい
彼女はニッコリ微笑むと、「お任せください」と、受付のパソコンを忙しく叩いた。
「そうですね、この著者の本がいいでしょう。
彼は腕のいいパン職人ですから。
……これは、……二階の料理本コーナーにありますね」
そう言ってタイトルの印刷されたシートを二人に渡した。
「ありがとう! 助かりました」
美留久は少しかしこまり、そう言って頭を下げると、聖夜の手を引き歩き出した。
「美留久ってば、凄いな」
それは素直な心の呟き。
聖夜には美留久が頼もしく見えたのだ。
「何言ってんの、セイ?
あたし達もう五年生じゃない。
これくらい出来て当たり前よ」
美留久の横顔は、自信に満ち溢れ、輝いていた。