きみといつまでもいたい
果たしてそれが正しい選択なのか。
聖夜と同様、それは樹が何度も繰り返し考えた問いだった。
美留久にとってはどうなのか。
このまま、彼女は聖夜と見えず、別々の道を歩いていく方が幸せなのではないだろうか。
聖夜と再び見えることで、辛い過去の記憶を呼び覚ましてしまうことにはならないのか。
彼女を苦しめるだけなのではないだろうか。
いや……、と彼はその思いを打ち消した。
聖夜は熟慮の末、それをあえて望んだのだ。
二人の新しい出発の為に。
二人で作る幸せな未来の為に。
彼はこの出会いから、また全てを始める覚悟なのだ。