きみといつまでもいたい
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その年の夏、美留久は河合の全国ピアノコンクールにエントリーした。



「ピアニストになるんだもの、一位にならなくちゃ」


美留久の自信は上々だった。

でも、結果は予選敗退。

聖夜の目には、既にもう一流のピアニスト級に映る美留久の腕前も、全国レベルの壁は破れなかったのだ。

でも、一度や二度の失敗で、諦める美留久ではなかった。


「仕切りなおしよ!」


半日泣き暮らした美留久は、もう来年のコンクールへ向けて標準を定めていた。

美留久の根性は半端ない。

それからは、もう、取りつかれたように美留久は毎日ピアノを弾き続けた。
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