きみといつまでもいたい
事故が起きたのは公会堂の目の前だった。
炎上する車の残骸を見て、美留久は正気を失った。
美留久は丁度、公会堂の前に出て、聖夜の到着するのを今か今かと待ちわびていたのだ。
聖夜の乗った車を確認した瞬間、美留久の目の前であの事故は起きた。
気を失って倒れた美留久も、救急車で同じ病院に運ばれた。
当然、その日のコンクールは欠席。
でも、そんなことはどうでも良かった。
聖夜に見てもらえないなら、コンクールもピアノもどうでも良かった。
ピアノなんか、もう見るのも嫌になっていた。
夢なら覚めてと、美留久は行き所のない怒りを内に溜め込んだ。