きみといつまでもいたい



「セイは?」



気がつくなり、美留久は聖夜の安否を問いただした。


「ご両親は亡くなったけど……

聖夜くんは、まだ、生きているわ」


「まだ……、って」


「瀕死の重傷なの。生きているのが不思議なくらい」


美留久の傍らに寄り添っていた華は、彼女に悲しい真実を告げた。





「う、うわわぁぁ……ぁぁ……


セイっ!」





美留久は両手の拳をきつく握り締めて、大声で叫んだ。


聖夜を死に追いやったピアノなど、消えて無くなればいいと思った。


聖夜をコンクールに誘った自分を呪った。
< 53 / 242 >

この作品をシェア

pagetop