きみといつまでもいたい




(神さま、もしいらっしゃるなら、代わりにわたしの命をセイにあげてください)




美留久は天に向けて、空しい願いを唱えた。

そんなもの、叶うわけはないとわかっていた。

涙が止めどなく流れた。



「ミルク……」



華の優しい穏やかな声が聞こえた。


「あなたが動揺してどうするの。

聖夜くんは一人で今の状況と戦ってる。

あなたが支えてあげなくちゃ。

大切な友達でしょ」


「ママ……」


美留久はその時、瞬時に自分のなすべきことを汲み取った。

聖夜のためなら、何時だって思いがけない力を発揮できる美留久だったから。



「ママ、あたし、もう泣かない。

聖夜が元気になって、以前みたいにあたしに笑いかけてくれるまで、絶対に泣かない。

あたしが聖夜を守る」



美留久の誓いは固かった。

それは、自分の命と引き換えてでも、手に入れたい願いだったのだ。
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