きみといつまでもいたい

セイ



聖夜は目を開けた。


と思ったが、そこはやっぱり闇の中だった。


(やっぱり僕は死んだんだ)


そう思った時、

「セイ……」

小さな呼び声が、何処からか聞こえてきた。


聖夜は、自分の手を動かそうと試みた。

その声の方へ手を伸ばそうと思ったのだ。

だが、どうしても手を動かすことができなかった。


聖夜は、自分の身体の全ての箇所を一通り動かしてみようと試みた。

右足、左足、右手、左手。

指の先一本さえも、聖夜の思い通りには動かない。

力を込めてはみるが、何一つ自由にはならなかった。



「ミルク、ごめん、やっぱり僕は死んだみたいだ」



唯一動いたのは、口だった。
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