きみといつまでもいたい



幼い美留久にだって、聖夜の置かれた過酷な状況は、わかり過ぎるほど明らかだった。



一度に全てを失った聖夜。



両親も、

身体の自由も。



全身を包帯でグルグル巻きにされた不憫な姿を目の前に、戻らない意識を待ちながら、美留久は自分を責めていた。


美留久は聖夜達家族が事故に会ったのは、自分のせいだと思っていた。


自分があの日、コンクールに聖夜達家族を招待したりしなければ、彼らは事故になど会わなかったのだ。


そんなこと……


きっと美留久の心の内を知ったなら、誰もが口を揃えて否定したであろうけれど。

美留久は一言もその思いを口にせず、ただ自分を責めた。



聖夜をこんな状況に追いやった自分が、どうしても許せなかったのだ。
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