きみといつまでもいたい
次に聖夜が目を開いた時、そこにはちゃんと美留久がいた。
あの後すぐに呼び寄せられた美留久は、そのままずっと聖夜の目覚めるのをこの病室で待っていた。
なんと二日間もだ。
誰がなんと言おうと、美留久は頑として動かなかった。
「次にセイが目覚めた時、あたしは一番にセイに言うことがあるの」
そう言って、動かなかったのだ。
聖夜が目を開けると同時に、美留久の弾ける笑顔が飛び込んできた。
まるで、今の瞬間を待ち構えていたように。
「セイ、おかえり。好き、大好きだよ」
愛しい少女は、そう言って笑った。
確かにその声は聖夜に届きはしたが、聖夜は再び目を閉じた。
美留久がそこにいたことに安堵はしたが、彼女の声に応えることはできなかったのだ。
その愛しい少女の笑顔が、顔に巻いた包帯のせいではっきりと見えないもどかしさと同様に、こんな死に底無いの自分に彼女の思いに応える資格など無いことを、聖夜は薄々感じ始めていたのだ。