きみといつまでもいたい



ベッドに寝たまま迎えた小学校の卒業式。



聖夜の身体はまだ思うようには動かなかった。

が、あれだけの大怪我だったのだ。

ここまで回復したのは奇跡に近かった。

これからも乗り越えていかなくてはならない大きな壁が、幾重にもその行く先を塞いでいた。



折れた骨はあらかた元に戻ってはいたが、まだ骨を支えるボルトが身体の中に残っていたし。

何ヶ月も寝たきりだったため、骨を支える筋肉も衰えていた。

ガラスの破片を取り出す為に身体中を切り刻んだ傷痕が、手足を動かす度に引き攣れて痛んだ。

聖夜が元のように動けるようになる為には、まだ長い時間を必要とするだろう。



これからが、長く苦しいリハビリの始まりだった。
< 62 / 242 >

この作品をシェア

pagetop