きみといつまでもいたい




「こんなカッコ悪い姿で、美留久の隣りに立ちたくない」




「セイ……、カッコ悪いなんて……

そういうことは、ちゃんと歩けるようになってから言って貰いたいものだわ。

そしたらその時、あたしが客観的な目で、聖夜がカッコ悪いかどうか判断してあげる。

あたしの目は厳しいわよ」


そんなキツイ言葉とは裏腹に、美留久は柔らかい笑顔で聖夜を見上げた。


「さ、兎に角行きましょう。あたしがちゃんと見ててあげる」


聖夜は仕方なく歩き出す。

美留久はその背中にそっと手を添えた。


美留久にはちゃんとわかっていたのだ。

機能回復訓練がどんなに苦しく、厳しいものなのかを。

それは、最初からずっと見守っていた美留久だからわかることでもあったし、美留久だからこそ、それを見守ってこれたのだ。

時に励まし、時に支え、片時も側を離れることなく聖夜に寄り添ってきた美留久。

二人が再び一緒に学校に通えるようになるのは、恐らく、そう遠い未来ではなさそうだ。



それは幸せの始まり、の筈だった……
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