きみといつまでもいたい

そんな美留久の守りのお陰で、確かに聖夜に対する風当たりは薄らいだ。

でも、美留久の気負いはクラスの中で浮き立っていた。

そんな美留久の振る舞いが、彼女を孤立させていることを、聖夜は肌で感じ取っていた。


『何様のつもり?

ちょっとばかしの正義感振りかざしてさ。

古谷くんが好きなだけじゃない……』


それは付かず離れずいつも一緒ににいる二人への、やっかみもあったかもしれない。

でも、美留久の抱える聖夜への気持ちは、好きなんてとっくに通り越していた。

そこのところが、みんなの理解と少しばかり違っていたのだ。


美留久にとって聖夜は、全身全霊をかけて守るべき分身。


いや、美留久自身よりも大切な写し身だったのだから。
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