きみといつまでもいたい
『パパ、急いで!……』
最後に自分が発した一言が、家族を死へと追いやった。
聖夜の記憶は、その場で踏みとどまっていたのだ。
美留久が大好きだった自分。
あの日、自分が寝坊さえしなければ、自分が急かしたりしなければ、あんな事故になど巻き込まれなかった筈なのだ。
そして生き残ってなお、大好きな美留久さえも苦しめている自分に嫌気がさした。
こんな自分など、放って置いて欲しかった。
忘れ去って欲しかった。
いっそ死んでしまえば良かったのだ。
優しい笑顔を向けられる資格など自分には無いのだと、美留久の笑顔を見る度に、聖夜の心は打ち拉がれていったのだ。
それは、彼にとって、命ある限り続く拷問だった。