きみといつまでもいたい
そんな彼らも進学の節目を迎えていた。
進路を決める中学三年の冬が巡って来ていたのだ。
美留久の成績はそこそこ良かったが、聖夜は休学中のつけが溜まって内申が芳しくない。
到底成績上位校への進学は難しかった。
生きていることが奇跡だったのだ。
だから誰もそれを責める者はいなかった。
けれども現実は現実だ。
当然のことのように、美留久は聖夜と同じ高校を受験すると決めていた。
地域でも評判の不良の集まる工業高校。
聖夜にとっては、そこさえもギリギリの選択だった。
二人揃って同じ高校に通うには美留久が聖夜のレベルに合わせるしかなかったのだ。
当然二人はそこでも目立つことになる。
美しい顔に醜い傷を負った混血の美少年と、利発で色白、見た目も可愛い美留久。
掃き溜めに鶴。
他の生徒から謂れのない興味と反感を買うであろうことは容易に想像できた。