きみといつまでもいたい

それでも抱きついた身体は温かく、聖夜が生きてそこに存在することだけは確かだった。


「あたしの全てはセイのものだよ。

セイ?

昔みたいに……

キスして、抱きしめてよ。

……、きゃっ」


ガタンと音を立てて椅子が倒れた。

聖夜がいきなり立ち上がったのだ。


美留久の手は勢い振り解かれ、身体は弾かれて後ろに転げた。

あまりに突然の衝撃に、美留久は顔を上げることもできず硬直していた。


「ミルクは僕にめちゃくちゃにされたいわけ?

それを僕が望んでいると……」


聖夜の声は微かに震えていた。

聖夜は泣いていたのだ。


美留久の手の温かさが苦しかった。

その手に縋ってしまいそうになる弱い自分が許せなかった。

そんな自分を嫌悪していたのは他ならぬ自分自身だった。
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