きみといつまでもいたい



「出て行け。もうここへは来るな」



聖夜はそう美留久に告げると、振り向くことなく二階へ続く階段を駆け上がった。


美留久は一人、部屋に残された。


それは聖夜の精一杯の強がりで、自分のせいで狂っていく歯車を、どうにかして止めようとした必死の抵抗だったのだが。

所詮、弱虫の独りよがり。

聖夜の拒絶は、美留久を絶望の淵へと追いやっただけだった。


『ミルクが好き、だけど好きじゃない。

ミルクと一緒にいたい、けどいたくない。

そんな中途半端な気持ちでいることが、どれだけ僕を苦しめてるか……

いっそ、嫌いになれれば……

どんなに楽か……』


聖夜の心の声は美留久には届かない。

床に座り込んだ美留久は、この受け入れ難い事実に打ちのめされていた。
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