きみといつまでもいたい
「君はミルクの同級生だね? ミルクを見かけなかったかい?」
蹲る水谷を見つけ、声を掛けてきたのは、美留久の父一郷龍だった。
彼は樹から連絡を受け、行方知れずの娘を探して街を走り回っていたのだ。
顔を上げた水谷は、生気も失せ、土と涙で顔をドロドロにしていた。
声も出せず、彼は路地を小さく指差した。
「ここにミルクが?」
最悪の状況を察した龍が路地に踏み込んだ時、最後の一人が美留久の上に覆いかぶさっていた。