先生、男と女になれません。 －オトナの恋事情ー

「亘理君、飲みすぎ」


気付けば二次会は終了し、三次会に行くメンバー達がもう出口で群れをなしていた。


僕は裕実に腕を取られて立ち上がり、その群れへ向かおうとしたものの腰に力が入らずにその場にヘナヘナと座り込んでしまう。


「大丈夫？　三次会の前に少し休んだら？　」
「神崎、裕実ちゃんの言う通りだぞ。お前、ここで少し休んでろよ」


仲間達にそう言われ、エントランスの近くへ設けられたバーカウンターに座ってチェイサーを飲んでいたら


「私もここに残って、亘理君の介抱をしてから行くわ」


そう裕実が言い出す。


一体これはどういう事だろうかと相手の気持ちを探ろうとしたけれど、酔いがキツ過ぎて何も考えられない。