先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
もう既に閉店しているバッグが有名なフランスから来たブランドの路面店前を裕実と腕を組んで歩く、何故こんな事をしているのか全く分からないまま。
「この店で初めて亘理君が買ってくれたバッグ、まだ持ってるの」
「そう……」
「これ、覚えてない? 」
ヒョイと自分の肩から提げていたピンク色のパーティーバッグを僕に見せて、微笑む彼女。
あの時、
『すっごくキラキラして綺麗! 裕実もこんなのが似合うオトナの女になりたいなー』
そう囁かれて、バカだった僕はすぐにカードを出した。
「もうあんな付き合い方は出来ないし、それに……」
「亘理君、ほらあのお店」
こちらの話なんか耳に入らないという様子で示したのは、僕が就職活動に向けてスーツを作ったイギリスのブランド路面店。
「この店で初めて亘理君が買ってくれたバッグ、まだ持ってるの」
「そう……」
「これ、覚えてない? 」
ヒョイと自分の肩から提げていたピンク色のパーティーバッグを僕に見せて、微笑む彼女。
あの時、
『すっごくキラキラして綺麗! 裕実もこんなのが似合うオトナの女になりたいなー』
そう囁かれて、バカだった僕はすぐにカードを出した。
「もうあんな付き合い方は出来ないし、それに……」
「亘理君、ほらあのお店」
こちらの話なんか耳に入らないという様子で示したのは、僕が就職活動に向けてスーツを作ったイギリスのブランド路面店。