先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
こんな風に『放置』→『ご褒美』→『放置』→『ご褒美』と調教、もとい執筆はつつながく進み、とうとうエピローグに差し掛かる。


最後は当然ハッピーエンドで、主人公と相手役はきっちり幸せになる。


僕と加瑚の未来の姿もそうありたいと願うようにキーを叩いていたら、ケータイが鳴る。


重低音の着メロは加瑚のケータイ、また仕事の電話だろう。


「はい、宮澤。ああ、そうか、今、神崎の家だ。分かった、今行く」


電話を切った後、小さく舌打ちをしてから僕の側へやって来て、肩を叩く。


「某巨大掲示板にな、今回の賞に関して不正があると書き込みがあるそうだ」
「へ? 」
「編集者と男性作家がデキていて、ランキング操作を行っているという」
「そんな事してないのに」


急いで掲示板へアクセスし、ベリーラブのスレッドを見てみれば


『watariとベリーラブの女編集がデキてるから、あんなつまんない作品でも10位に入ってる』


という心無い書き込み。




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