先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
そのままの状態で1分、いや5分が過ぎた頃。


「完結する事だけに集中しろ」


そう言い残した加瑚が部屋を出て行き、僕は1人取り残される。


約束したように完結させよう、頑張って幸せなエンディングを描こう。


そうは思っていたものの手が動かない、書こうとすればする程、さっき目にした批判が頭を過ぎる。


デキているからランキングが上がる、ひいきされている、あんなにつまらないのに。


違う、正々堂々と裏の手を使わずに戦っているのに。


ずるいのはyumi☆の方じゃないか……。


何度も書いては消し、書いては消しを繰り返しているうち、翌朝を迎える。


でもその間、加瑚からは何の連絡も無かった。


今頃、一体どうしているのだろう。

< 151 / 183 >

この作品をシェア

pagetop