先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
粉々に砕け散る繊細なグラス、そして臭い芋焼酎が自慢のオーク材のテーブルの上へ散乱。
「悪い悪い、やっちまった」
「それ、1つ10万もしたのに……」
たった一言の恨み言だけを呟くと急いで割れたグラスの片付けをしようと、リビングの隅に置いてある新聞を持って来て破片を手で拾おうとしたら宮澤さんが先に拾い始めていた。
その手付きと来たら、いつもの荒っぽさが一切無く慎重そのものでおかしくなる。
さすがに鬼の宮澤も手が大事なのだろう、誰かを叩いたりするのに不便になるから。
「これで全部だ」
「でも料理に入っているかも知れません」
「細かい事言うな、分かったよ。あたしの分をくれてやる」
片付けを終えた後、サッと自分のハンバーグの皿を差し出す。
どういう事だろう、今日は突然手料理を振舞ってくれたしガラスの後片付けも率先してやってくれたし、おまけにこのハンバーグだって交換を。
「悪い悪い、やっちまった」
「それ、1つ10万もしたのに……」
たった一言の恨み言だけを呟くと急いで割れたグラスの片付けをしようと、リビングの隅に置いてある新聞を持って来て破片を手で拾おうとしたら宮澤さんが先に拾い始めていた。
その手付きと来たら、いつもの荒っぽさが一切無く慎重そのものでおかしくなる。
さすがに鬼の宮澤も手が大事なのだろう、誰かを叩いたりするのに不便になるから。
「これで全部だ」
「でも料理に入っているかも知れません」
「細かい事言うな、分かったよ。あたしの分をくれてやる」
片付けを終えた後、サッと自分のハンバーグの皿を差し出す。
どういう事だろう、今日は突然手料理を振舞ってくれたしガラスの後片付けも率先してやってくれたし、おまけにこのハンバーグだって交換を。