先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
アメとムチ
翌日の夜、バイトから戻ってみればいい匂いが廊下に漂っている。
カレーの匂いだ、これは。
このマンションには家族も多く住んでいるから、どこかの家で作っているのだろうなと思い、実家へ帰りたくなる。
でも戻れそうにない、ラノベ作家になる時点で親とはケンカを繰り返していたし。
『子供だましの絵本なんか書いて! 』
『違うよ! 絵本なんかじゃないんだ! 』
『そんな余裕があるのなら、真面目に勉強しなさいっ! 帝都大に合格出来ないでしょ』
親が望んでいた僕の進路は帝都大の法学部に入り、弁護士か官僚になるというかなり堅い方面。
僕はどうせ帝都大に入るのなら、文学部がいいと思っていたのに。
そこで、帝都大の入試で手を抜いてわざと落ちてやり、自分の稼いだ印税で私大の文学部へ入ってしまった。
以来、親とはもう何年も顔を合わせていない。
カレーの匂いだ、これは。
このマンションには家族も多く住んでいるから、どこかの家で作っているのだろうなと思い、実家へ帰りたくなる。
でも戻れそうにない、ラノベ作家になる時点で親とはケンカを繰り返していたし。
『子供だましの絵本なんか書いて! 』
『違うよ! 絵本なんかじゃないんだ! 』
『そんな余裕があるのなら、真面目に勉強しなさいっ! 帝都大に合格出来ないでしょ』
親が望んでいた僕の進路は帝都大の法学部に入り、弁護士か官僚になるというかなり堅い方面。
僕はどうせ帝都大に入るのなら、文学部がいいと思っていたのに。
そこで、帝都大の入試で手を抜いてわざと落ちてやり、自分の稼いだ印税で私大の文学部へ入ってしまった。
以来、親とはもう何年も顔を合わせていない。