先生、男と女になれません。 －オトナの恋事情ー

「マ、マイスンのティーカップに緑茶ですかっ！　」
「悪いか？　湯のみが見当たらなくてな」
「あの、これは紅茶を淹れる用で、しかも入れるのはフォーチュナムメイスンのダージリンだけって僕は決めてるんです」
「文句あるなら飲むな！　手を動かせ！　はい、１、２、１、２」


ダンスじゃあるまいし、そうそう簡単に手なんか動かせないよ。


第一、プロットはおろか登場人物すら決まってないんだから。


あーもうどうしようか、まあとりあえず主人公は十代の女子高生で、相手役は同じ十代の男子高校生にしておこうか。


「最近よぉ、児ポ法改正案とか東京都条例とか厳しいからその辺気を付けろよ」
「え……」
「小説はいいとか言われてるけど、漫画化する時とかヤベーんだわ。未成年者の性交渉とか。他にも、今議論されてるＲ指定作品にならねぇように、イージーな描写とかすんなよ」


未成年者に刺激的な作品を与えたら当然喜ばれるだろう、実際、そういうのに影響されて早くからソッチ方面に興味を持つ子が増えてるのは事実だから。