先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
逃がさない
僕の書いている『テディ! -cruel baby -』のストーリーは順調に進み、主人公と相手役が恋仲になった所まで来ている。
それを読んだ宮澤さんは、上機嫌で今日もまた部屋を訪れた。
「なかなかいいな、主人公の恋する女の子の心理描写が」
「それほどでも」
恋をしている時の描写が上手くなったのは、僕の今の気持ちをそのまま表現したからだなんて言えないまま、夕食を作る後姿に見とれていると急にこちらを振り返る。
執筆の手が止まってしまっているので、それを注意されるのかと思い、ビクッとしていたら
「酸っぱいのは苦手か? 」
と尋ねられた。
「酸っぱいって何がですか? 」
「から揚げのソース、今日はネギとショウガの甘酢ソースにしようと思ってな」
「あ、それなら平気です」
「分かった」
再びキッチンへクルリと向き直り、調理を再開。
それを読んだ宮澤さんは、上機嫌で今日もまた部屋を訪れた。
「なかなかいいな、主人公の恋する女の子の心理描写が」
「それほどでも」
恋をしている時の描写が上手くなったのは、僕の今の気持ちをそのまま表現したからだなんて言えないまま、夕食を作る後姿に見とれていると急にこちらを振り返る。
執筆の手が止まってしまっているので、それを注意されるのかと思い、ビクッとしていたら
「酸っぱいのは苦手か? 」
と尋ねられた。
「酸っぱいって何がですか? 」
「から揚げのソース、今日はネギとショウガの甘酢ソースにしようと思ってな」
「あ、それなら平気です」
「分かった」
再びキッチンへクルリと向き直り、調理を再開。