大好き‥だよ。
『おはよう』
先生はクラス名簿を片手に教壇の上に立った。服装はジャージ。これは、今日の2時間目に体育があるからだろう。私は先生の服装に対して、疑問も違和感も感じなかった。
『『おはようございます』』
いつもの様にクラスのみんなが元気よく挨拶を返すと、先生は微笑んでいた。
『今日は、お前達に大事な知らせがあります』
それだけ伝えると、右手にチョークを持ち黒板に何かを書き始めた。
鳴海悠(ナルミハルカ)‥‥?
先生は持っていたチョークを置き、私達のいる方を向きながら話し始めた。
『今日から3年1組に新しい仲間が増えます。名前は「鳴海悠」仲良くしてやってな』
それだけ言うと教壇から降り、教室の前のドアを勢いよく開けた。
『入って』
私達は「鳴海悠」という性別も分からない未知の人物をいち早く目にする為に、体を机から乗り出した。後ろの席に座っていた人は、椅子から体を離し、その場に立ち上がっていた。
男の子?女の子?
凝視しすぎて目が痛かった。
『はい』
先生の呼びかけに答えた声と同時に、黒いランドセルを背負った「鳴海悠君」が教室の中へ第一歩を踏み入れた。下を向いたままその場に立っていると、先生に後ろから背中を押されて少し体がよろけた。躊躇しながらも黒板の真ん中辺りまで歩き、止まった。
『じゃあ、簡単でいいから自己紹介して』
先生は教室のドアを閉めて寄りかかっていた。鳴海君は先生の方を一度見て、頷いてから正面を向いた。
『鳴海悠です。ハルカって名前だけど、見ての通り男です。えっと‥サッカーが好きです。それから‥野球も好きです。他にもバスケとかテニスとか‥‥』
『とにかくスポーツ全般が好きなんだろ?(笑)』
和樹君が鳴海君の話を遮ると、教室から笑いが込み上がった。クラスの雰囲気を察知した鳴海君の表情が、満開の笑顔に変わった。
『俺の名前は和樹。俺もサッカー好きなんだ。よろしくな、悠』
『うん。よろしく』
『俺は‥』
バスケが好きな丸山君の声が、先生の大きい声によってかき消されてしまった。
『はいはい。お前達の自己紹介は各々でやってくれ。じゃあ、席は‥』
先生は教室の中を見渡した後、私の後ろの席を指差した。
先生はクラス名簿を片手に教壇の上に立った。服装はジャージ。これは、今日の2時間目に体育があるからだろう。私は先生の服装に対して、疑問も違和感も感じなかった。
『『おはようございます』』
いつもの様にクラスのみんなが元気よく挨拶を返すと、先生は微笑んでいた。
『今日は、お前達に大事な知らせがあります』
それだけ伝えると、右手にチョークを持ち黒板に何かを書き始めた。
鳴海悠(ナルミハルカ)‥‥?
先生は持っていたチョークを置き、私達のいる方を向きながら話し始めた。
『今日から3年1組に新しい仲間が増えます。名前は「鳴海悠」仲良くしてやってな』
それだけ言うと教壇から降り、教室の前のドアを勢いよく開けた。
『入って』
私達は「鳴海悠」という性別も分からない未知の人物をいち早く目にする為に、体を机から乗り出した。後ろの席に座っていた人は、椅子から体を離し、その場に立ち上がっていた。
男の子?女の子?
凝視しすぎて目が痛かった。
『はい』
先生の呼びかけに答えた声と同時に、黒いランドセルを背負った「鳴海悠君」が教室の中へ第一歩を踏み入れた。下を向いたままその場に立っていると、先生に後ろから背中を押されて少し体がよろけた。躊躇しながらも黒板の真ん中辺りまで歩き、止まった。
『じゃあ、簡単でいいから自己紹介して』
先生は教室のドアを閉めて寄りかかっていた。鳴海君は先生の方を一度見て、頷いてから正面を向いた。
『鳴海悠です。ハルカって名前だけど、見ての通り男です。えっと‥サッカーが好きです。それから‥野球も好きです。他にもバスケとかテニスとか‥‥』
『とにかくスポーツ全般が好きなんだろ?(笑)』
和樹君が鳴海君の話を遮ると、教室から笑いが込み上がった。クラスの雰囲気を察知した鳴海君の表情が、満開の笑顔に変わった。
『俺の名前は和樹。俺もサッカー好きなんだ。よろしくな、悠』
『うん。よろしく』
『俺は‥』
バスケが好きな丸山君の声が、先生の大きい声によってかき消されてしまった。
『はいはい。お前達の自己紹介は各々でやってくれ。じゃあ、席は‥』
先生は教室の中を見渡した後、私の後ろの席を指差した。