大好き‥だよ。
ヒック
グスン‥

私は最後に流れた涙を拭き取り、チョークを右手に持って相合傘を完成させた。

『華代見て。これが私の気持ちだよ』

『‥松浦俊』

『そう。やっぱり俊チャンが好き!その気持ちはどうやっても変わらない。でもね‥』

今度は黒板消しで、私たちの相合傘を綺麗に消した。

『ちょっと!!』

私の行動に華代は驚いていた。

『これでいいの‥』

『どういうこと?私に分かるように説明して?』

『うん‥』

私は窓を開けて、ひまわりを見つめながら話した。


『俊チャンへの気持ちは変わらない。この先も絶対に変わらない自信はあるの。でもね、このままでいられないの。この間の言葉に傷ついて、あの時の私の態度できっと気持ち‥知っちゃったと思うんだ。

私が中途半端な態度で接してると、みんな迷惑しちゃうの。これからも俊チャンの隣にいるには「幼馴染」になるしかないんだよね。そうすれば俊チャンって呼んでも不自然じゃないし‥って。言いたいこと伝わってる?』

私が聞くと、華代は少し困ったように「うーん」と暫く考えてから笑ってくれてた。


『良く分からないけど、分かった事にしとく』

『え~‥』

『とにかく!!
結の好きな人は今もこれからも俊君なんでしょ?気持ち伝えない代わりに、俊君への想いも封印すると。そうすることで、今までと同じように接することが出来る。そう言うことでしょ?』

『華代、理解力ある!!』

両手を叩いて褒めていると、私の手を掴んで止めた。

『気持ちを隠すって大変だと思うよ。近くにいればなお更。結に耐えられる?』

真剣な目で見つめてきた。なんとなく目を合わせづらくて視線を下げた。


『正直ね‥自分の気持ちが分からなくなりそうで不安なんだ』

『だったら、そんなに構えないで普通に接したら良いんじゃないかな?‥って、そんな器用な性格じゃなかったね。
仕方ない‥私も協力するから、そうやって何でも一人で抱え込まないこと。いい?』

視線を上げると目が合った。私がにっこり笑うと華代も笑ってくれた。
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