大好き‥だよ。
それから数日後、席替えをした。

先生の独断と偏見で、学級長と副学級長は一番前の、しかも先生の前を指定された。華代は納得がいかず、理由を問いただしたところ「ものを頼みやすい」というのが理由だった。俊チャンは「窓際なら別にいい‥」と言ってすんなり席に着いた。始めは反抗していた華代も「俊君が納得したなら‥」と言って一番前の席に座った。

他にも前の席を指定された人が2人いた。

1人は西山君。
彼の理由は、五月蠅いから・騒ぐからといった理由。

そしてもう1人は丸山君。
彼に関しては本当にかわいそうだと思った。理由が「バスケについて語りたいから」だ。休み時間にゆっくり2人で話していればいいのに‥と、きっと誰もが思った。


その後、この4人を抜いた残りの人でくじ引きをした。
最初に男子がくじを引いて、黒板と同じ番号の席に移動した後で、女子がくじを引いた。女子の場合は、ほとんどの人が神頼みをした後で、箱の中に手を入れてくじを引いていた。引いた番号を見て「え~‥」と叫ぶ人が何人かいた。

順番は特に決まっていなかったので、私は最後の方でくじを引いた。くじ運はあまり良い方とはいえないけど、できれば後ろの方がいいな。と心の中で思いながら端に残っていた紙を1枚手にした。

黒板に書かれている番号と照らし合わせてみると、願っていた席だったので少し驚いた。でも、すぐにホッとした。


番号の紙を右手に持って新しい席に着くと、和樹君に話しかけられた。

『何だ、俺の斜め後ろは桜井か。よろしくな』

和樹君の顔を見ていたら、少しちょっかいを出したくなった。

『華代と離れちゃって残念だね。でも、今度は後ろだから様子見れるから安心だね(笑)』

『桜井~!!
じゃあ、それを言うならお互い様だろ?』

『お互い様?』

『そうだよ。桜井だって俊と離れちまったじゃねえか。端と端なんて本当に桜井ってくじ運悪いんだな(笑)』

和樹君は笑い出した。

ずっと笑い続けている和樹君から視線を外し、一瞬だけ俊チャンを見た。けど‥すぐに自分の机へと視線を移動させて呟いた。

『ここが良かったの』
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