大好き‥だよ。
最初にユーザー名を設定した。19文字以内で自分の本名以外ならどんな名前でも良かった。

好きな芸能人、好きな歌手、好きな番組‥いろいろな名前が頭の中を交差した。けど、最終的に私が選んだのは好きな花「ひまわり」だった。他の人はどんな名前をつけたんだろう?凄く楽しみだった。

『全員ユーザー名が決まったようだな。よし、じゃあ今配ったプリントを見ろ』

前から順に配られたプリントを見た。すると、そこに書かれていたのはパソコン室の座席表だった。

『設定が終わっても、送る相手のナンバーが分からなきゃ意味が無いだろ?でも、ナンバーはキーボードにあって見えないから、俺が座席表とその横にナンバーを書いといた。だから、このプリントを見ながらクラスの誰かにメールを送れ。もちろん、俺宛でもいぞ(笑)』

そんな事言われても、先生のナンバーは記載されていなかったので、誰も送ることが出来なかった。

『先生、メールの内容は何でもいいの?』

『いいぞ。と言いたい所だが条件がある』

『条件?』

『そうだ。
誰から送られてきたのか分かった後だったら、世間話でも愚痴でも告白でも勝手にしていい。でも分からなかったら‥』

『分からなかったら?』

『そいつにヒントをやれ。自分の好きなスポーツ、教科、特技とかさ。自分のことをアピールして早く自分だって事に気付いてもらえ。
他に質問は?』

全員が首を横に振った。

『一人でも多くの人とメールして楽しめ。ゲーム開始!!』


開始の合図と同時に、まずプリントに目を向けた。1番に送る相手はもちろん華代だ。どんなユーザー名にしたのか考えながら、宛先にナンバーを入力した。そして本文には「外、晴れてるかな?」とあえて天候の内容にした。和樹君の事に触れたら、すぐに私だってバレてしまうと思ったから。

何通目のメールで「私」だって事に気付いてくれるのか、楽しみだった。

送信して1分も経たないうちに誰かからメールが届いた。メールボックスを開くと、送信者は「K2」さんからだった。
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