大好き‥だよ。
入学式から数日が経ったある日のホームルームのこと。


『みなさん、学校生活に慣れてきましたか?』


『『はぁーい!!』』

先生の質問に、生徒は反応した。


『隣の席に座っているお友達と日直をしてもらいましたが、まだやった事のない人はいますか?』

先生は私たちを一通り見渡したけど、日直をやった事のない生徒はいなかった。



『今日は、皆に決めて欲しいことがあります』


『なぁ~に?』

女の子が先生に聞き返した。


『うん。あのね、このクラスの学級長と副学級長を皆に決めてもらいたいんだ』


『私たちに?』


『そう。先生が推薦するより、皆が入学式からクラスの友達といっぱい話してみて、感じたことを思い返してみて。
クラスの誰にやってもらったらいいのか考えて欲しいの』

私たちは教室を見渡した。


『それでね』

先生が話し出したので、前を向き直した。


『それでね、男の子に学級長をしてもらって、女の子に副学級長をしてもらうのはどうかなって思ってるんだけど』


すると、優等生の小林君が手を上げた。


『先生、質問があります』


『何かな?小林君』


『学級長は、主にどんな仕事をするんですか?あと、期間はどのくらいですか?』

私たちは「うんうん」と頷きながら先生の返事を待った。



『そうだな~‥期間は1年間にしましょうかね。2年生になったら変えましょう。それから、学級長の仕事はみんなで楽しめる企画を考えたり、クラスの問題を解決してもらうときに、中心になって会議を進めたりすることです』


『分かりました』

小林君は大きく頷いていた。



「学級長は、小林君でいいよね?」

思い当たる人を私なりに考えていた。
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