大好き‥だよ。
『あらま~。みんな同じ意見だったのね』

先生は、協議の必要がないことで凄い嬉しそうだった。持っていたチョークで黒板に学級長と副学級長の名前を書いていた。

そしてもう一人。
この結果に満足している子がこのクラスにいた。



『俊君。1年間よろしくお願いします』

田中さんは俊チャンにウインクをしていた。



『‥面倒くさい‥』

俊チャンは小さな声で呟いていた。



『じゃあ、俺が代わるよ!!』

『俺が学級長やる!!』

男の子の声が飛び交っていた。すると、田中さんは振り向いて男の子たちに聞いた。


『もう決まったことだよね?』


『『うっ‥‥‥』』

さっきまでの勢いがなくなり、教室の中が静かになった。



「こんな事になるなら私‥立候補すればよかった。そうすれば‥」

私は深いため息をついた。


同時くらいに、隣に座っていた小林君も深いため息をついていた。



『だ、大丈夫??』

話し掛けるのは怖かったけど、私よりも落ち込んでいたので慰めてあげようと思った。


『心配してくれてありがとう。大丈夫だよ』

そして小林君は振り返り、俊チャンを見た。


「な、何を言うつもりなの??」

私はドキドキしながら2人を交互に見た。



『面倒くさいとか言わない!!1年間頑張って』

意外だった。


クラスの男の子たちみたいに、
「俺が代わってやるとか」「お前で大丈夫なのか」とか‥
少し嫌味っぽく言うと思っていたのに、小林君は普通だった。


彼は‥お兄ちゃんみたいに落ち着いていた。
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